仙台駆け込み寺 相談事例(№1)

相談者 50代 女性

引きこもりの息子さんを持つお母さんからの相談。ある書類に息子さんの職業を書かな

ければいけなかったが相談者さんは「無職」と書きたくなかった。相談者さんは「『無職』

と書くことで私のプライドが傷つけられそうで嫌なんです」と言っていた。旦那さんが自営業をやっているから書類に「自営業」と書こうかな、などあれこれ一人で考えるうちにどんどん気持ちが落ち込んでしまう。旦那さんは息子さんのことや家庭のことに無干渉でそんな旦那さんに対してもやるせない気持ちを抱えていた。息子さんは身体が弱く、食べたいものも満足に食べられないため、相談者さんは塩分を控えた料理を作ってあげたりして献身的にサポートをしていた。今の一番の悩みは、息子さんに対してどう接していけば良いか分からないということだった。

この相談は私、相談員竹田にとって第一回目の相談対応だった。私も一年半引きこもりを経験していたため相談者さんの話は共感しながら聴いていた。私は相談者さんに伝えた。

「私も引きこもった経験があります。でも、私の母が生き生きとしている姿を見て救われました。お母さんが元気だと息子も元気になるものです。お母さんには元気でいてほしいです。体を大事にしてほしいです」と伝えた。それに対して相談者さんは「よく立ち直りましたね。すごい!あなたのことを応援する。ありがとう」と泣きながら讃嘆してくれた。私の母は訪問介護の仕事をしており、仕事場で起こった面白い話を毎日してくれ、そのおかげで私は心が動かされ頑張ろうと思えるようになった。だから、相談者さんに助言した。「親子のコミュニケーションを大切にしてほしい」、そして、「お母さん自身が生き生きと取り組めるものを見つけてほしい」と助言した。相談者さんは「前から興味があった英語の勉強をやってみようと思う」と素直に返してくれた。無事、私の第一回目の相談が終わった。

しばらくして私の母から聞いた話だが、私が部屋にこもっていた頃、母は日本駆け込み寺代表の“玄さん”に私のことについて相談していたようで、玄さんからは「息子さんのことは今は放っておいて自分の好きなことをとことんやりなさい。そうすれば息子さんも良くなるよ」と助言されたそうだ。奇しくも玄さんの言葉には私が相談者さんに助言した言葉と重なるものがあった。この第一回目の相談で気づき得たことは、生き生きと生きていく姿を人に示していくことの素晴らしさと母への感謝だった。

東北駆け込み寺|たった一人のあなたに寄り添う

東北駆け込み寺は、 無料でなんでも相談できるボランティア団体です。 家族や友人には言いにくい、どこに相談すればいいかわからない悩みはありませんか? 気軽にグチをこぼせる場所として、気軽にご利用ください。 相談受付:022-200-6002 (相談日カレンダーを確認して連絡ください)